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ガンマ(Gamma) スペック
フラビアの後継モデルとして2年のブランクを経た1976年ジュネーブショーにデビューしたのが、同じく水平対向4気筒を搭載した「ガンマ」である。
このモデルの成り立ちは、'70年代前半まで提携関係にあったシトロエンの影響が強く残っている。本来なら水平対向4気筒エンジンにハイドロニューマティックが組み合わされた、シトロエンGSの拡大版というべき独創的なサルーンになるはずだったのだ。
しかし、シトロエンとの関係が断たれた後はランチア独自で開発され、結局'76年のジュネーブショーにてデビューを果たした。フラット4エンジンは全くの新設計で、バンクあたりSOHCのクロスフローとされ、主にイタリア国内向けの2リットル120PS、そして主に輸出向けの2.5リットル140PSの二本立てとされた。
ピニンファリーナにデザインが託されたボディは、6ライト、ファストバックのベルリーナと、そのベルリーナのホイールベースを115mm短縮したクーペの二本立てとされた。ベルリーナのデザインは'60年代末にピニンファリーナがBMC1800で試作したファストバックスタイルを生産化したものだが、その試作車は奇しくもシトロエンCXに多大な影響を与えたといわれている。
またランチアガンマクーペは歴史上のノッチバッククーペの中でも最も美しい車のひとつといわれ、現在でも高い評価を受けている。
1984年10月、大ヒット作となるランチアテーマが発表されると、ガンマはひっそりとフェードアウトした。しかし、フィアットのいかなるモデルとも関連をもたないテクノロジーの結晶たるガンマは、最後の“本物”のランチアとして、今頃になって世界のランチア・エンスージアストから認められる存在となりつつある。
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